2008年11月13日
発酵は力なり!!①

本棚を片付けていたら、「発酵は力なり」という本がでてきました。自分が大学
の時に習った
小泉武夫先生の書いた本で、
NHKの人間講座 2002年6月~7月に放送されたのを文書化したものです。
最近はよくTVにも出られておりとてもユニークな先生だったことを覚えています。
この本の中に発酵食品のことがたくさん書かれています。大変興味深い本ですよ。
その一部を抜粋いたしますと
「一般に発酵というと、味噌、醤油、酒、チーズ、納豆、ヨーグルト、お酢、など食べ物
のことばかり思い浮かべると思います。
しかし、日本の発酵産業を見ると、食べ物は総生産額の17%にすぎません。発酵の
世界というのは実はそれほど大きいのです。
残りの約80%の中でいちばん大きいのは医薬品です。
いくつかの伝染病から人間を救ってきたのは、発酵菌が作った抗生物質
のおかげです。抗がん剤、抗エイズ剤、抗ウイルス剤、など、難病に対する薬はほと
んどが発酵生産物です。
次に大きいのが化学製品です。薬用や食品用などあらゆるものに使われている
アミノ酸はじめ、ビタミン、特殊な有機酸、ホルモンなどは微生物が作っています。
その次が酵素です。酵素というのは生き物ではなく、発酵微生物の作るたんぱく質
のひとつで、物を合成したり分解してくれます。身近のものでは胃腸薬に含まれる
消化酵素がそうですし、汚れを分解する洗剤や歯磨き粉にも酵素が使われて
います。
また血液や尿検査の際にいち早く病気の検査結果が出てくるのは酵素で診断する
酵素診断法が導入されているからです。
さらに発酵産業には、環境浄化発酵という分野があります。活性汚泥法や
メタン発酵といった廃水の処理は、いずれも発酵微生物を使った発酵装置作業
なのです。また農業の世界では、生ごみを発酵させて得た堆肥で野菜を作る方法
も増えてきました。
このように、人間にとって有益ことを、目に見ることのできない小さな微生物が行っ
ているということに大変驚きます。」
(発酵力なり 食と人類の知恵 小泉武夫著)

微生物による発酵が人類にこれほどまで貢献していたなんて知らなかったの
でとても勉強になりました。
ほんと「発酵は力なり」ですね。
Posted by 六代目作右衛門 at 11:37│Comments(0)
│醤油のこと
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。